こんにちは。福岡介護ナビ、運営者のnishiです。
「介護施設にはどんな種類があるの?」「特養と老健、何が違うの?」——親御さんの介護が現実味を帯びてきたとき、多くの方がこうした疑問を抱えます。介護施設の種類を一覧で把握しておくことは、いざというときに焦らず動くための大切な備えです。
日本の介護施設は大きく「公的施設」と「民間施設」に分かれており、それぞれ入居条件・費用・サービス内容が異なります。種類が多くて混乱してしまうのも無理はありません。この記事では、介護施設の種類を一覧形式でわかりやすく整理し、費用の目安や施設選びのポイントまでお伝えします。
福岡県内で施設をお探しの方にも参考にしていただける内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
介護施設の種類一覧:公的施設を知る

公的施設とは、国や地方自治体が設置・運営に関与する介護保険施設のことです。介護保険制度に基づいて運営されるため、民間施設と比較して費用が抑えられるのが大きな特徴です。
一方で、その分人気が高く、特に都市部では入居待ちが長期化しやすいというデメリットがあります。代表的な公的施設には、特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院・ケアハウス(軽費老人ホーム)・養護老人ホームがあります。ここではそれぞれの特徴を順番に説明します。
ここではそれぞれの特徴を順番に説明します。介護保険制度の全体像については(出典:厚生労働省「介護・高齢者福祉」)もご参照ください。
特別養護老人ホームの費用と入居条件
特別養護老人ホーム(通称:特養)は、介護保険施設の中でも最もよく知られた公的施設のひとつです。要介護3以上の認定を受けた方が対象となり、終身にわたって介護を受けられる施設として、多くの家族から支持されています。「最後まで安心して住み続けられる場所」を求める方に特に向いている施設です。
特養の入居条件
原則として、要介護3以上の方が入居対象となります。ただし、要介護1・2であっても、認知症の進行・家族の介護力の低下・虐待を受けている場合など、やむを得ない事情があると認められれば特例として入居できます。65歳未満であっても、末期がんや関節リウマチなど特定疾病(16種類)が認定されれば入居可能です。
特養の費用の目安
特養の月額費用は、要介護度・部屋タイプ(多床室か個室か)・所得状況によって異なりますが、おおよそ月額6万〜15万円程度が相場です。入居一時金が不要な点が大きなメリットで、年金収入が少ない方にとっては現実的な選択肢になります。所得や預貯金が一定以下の場合は「補足給付(特定入所者介護サービス費)」が利用でき、食費・居住費の自己負担が軽減されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入居対象 | 要介護3以上(原則) |
| 入居一時金 | 不要 |
| 月額費用の目安 | 6万〜15万円程度 |
| 運営主体 | 社会福祉法人・地方自治体など |
| 看取り対応 | 可(施設による) |
特養の現状と注意点
特養は費用が安く長期入居できる安心感がある一方、人気が非常に高いため入居待ちが長期化しているケースが多いのが現実です。申し込みから入居まで数ヶ月〜数年かかることも珍しくありません。「特養に入れるまでの間をどうするか」という現実的な備えも同時に考えておく必要があります。申し込みは複数施設に同時に行えるため、早めに動くことが大切です。
介護老人保健施設でリハビリを受ける
介護老人保健施設(通称:老健)は、病院での治療を終えた方が自宅や生活の場に戻るための「橋渡し的な施設」です。リハビリテーションに重点を置いており、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職が連携して在宅復帰を支援します。介護施設の種類のなかで、回復・リハビリを目的とした性格が最も強い施設です。
老健の入居条件と費用
老健に入居するには要介護1以上の認定が必要です。入院を経て回復期・維持期にある方が主な対象で、点滴・経管栄養・褥瘡処置などの医療的なケアが必要な方にも対応しています。月額費用の目安はおよそ8万〜14万円程度で、入居一時金は不要です。
老健の特徴と利用期間
老健は在宅復帰を目的とした施設であるため、長期入居を前提とした施設ではありません。入居期間は3〜6ヶ月を目安としており、定期的に在宅復帰の可能性が評価されます。ただし、状況によっては長期利用が続くケースもあります。集中的なリハビリで機能回復を図りたい方に特に向いています。
老健の医療体制
医師が施設内に常駐しており、日常的な医療管理を担います。急性期の治療は行えないため、状態が悪化した場合は病院への転院が必要になりますが、日々の健康管理は安心して任せられる環境です。福岡市内にも多数の老健施設があり、立地・リハビリの質・費用を比較しながら選ぶとよいでしょう。
介護医療院の役割と対象者
介護医療院は2018年に創設された比較的新しい介護保険施設です。医療依存度が高く長期的な療養が必要な高齢者を対象とした施設で、「医療」「介護」「住まい」の3つの機能を一体的に提供するのが大きな特徴です。以前は「介護療養型医療施設」がこの役割を担っていましたが、2024年3月をもって廃止され、介護医療院への転換が進められました。
介護医療院の入居条件
対象は要介護1以上の方で、特に医療的なケアが継続的に必要な方に適しています。たとえば、痰の吸引・経管栄養・インスリン注射・気管切開管理など、医療処置が日常的に必要な方が入居しています。
介護医療院のサービスと費用
医師・看護師が常駐し、24時間体制で医療管理を行います。リハビリ・看取り・ターミナルケアにも対応しており、「最後まで安心して療養できる環境」を提供することを目的としています。月額費用の目安は施設によって異なりますが、10万〜20万円程度が参考値です。入居一時金は不要です。介護保険で賄える医療水準の高さが他の施設との大きな違いといえます。
介護医療院はまだ施設数が少なく、地域によっては選択肢が限られます。地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談しながら、施設の空き状況を確認してみてください。
ケアハウスと養護老人ホームの費用
公的施設のなかで、ケアハウス(軽費老人ホーム)と養護老人ホームは比較的知られていない施設かもしれません。どちらも自立〜軽度の要介護の方向けの施設ですが、目的や対象者が少し異なります。費用が比較的安い点が共通した特徴で、「まだ介護度は低いが、一人暮らしに不安がある」という方に向いています。
ケアハウス(軽費老人ホーム)とは
ケアハウスは、家族による援助を受けることが難しい高齢者が低廉な費用で生活できる施設です。「一般型」と「介護型」の2種類があります。
一般型ケアハウス:自立〜要支援の方が対象です。食事や生活支援サービスを受けながら暮らせます。介護が必要になった場合は外部の介護サービスを利用します。月額費用の目安は7万〜20万円程度です。
介護型ケアハウス:要介護1以上の方が対象で、施設内で介護サービスを受けられます(特定施設入居者生活介護の指定施設)。介護付き有料老人ホームと近い性格を持ちますが、費用は一般的に低めに抑えられています。
養護老人ホームとは
養護老人ホームは、身体・精神・経済的な理由により自宅での生活が困難な65歳以上の方を対象とした施設です。入居の判断は市区町村が行うため、本人や家族が直接申し込むことはできません。費用は所得に応じた負担となり、低所得の方でも入居できる仕組みになっています。介護保険施設ではないため、介護サービスは外部の訪問介護などを利用します。
介護施設の種類一覧:民間施設を比較する

民間施設とは、民間企業や社会福祉法人などが運営する施設で、有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などが代表例です。公的施設と比べて費用は高めになりますが、サービスの充実度・入居のしやすさ・施設環境などの面で優れた点が多く、近年ますます需要が高まっています。介護施設の種類の中でも選択肢が最も豊富なのが民間施設です。
介護付き有料老人ホームの特徴
介護付き有料老人ホームは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設で、施設内の介護スタッフが直接介護サービスを提供します。24時間体制でスタッフが常駐しているため、介護度が高い方や医療ニーズのある方にも対応できる体制が整っています。有料老人ホームの中でも、最も手厚い介護サービスを受けられる種類といえます。
入居条件と費用
入居対象は基本的に要介護1以上の方ですが、施設によっては自立・要支援の方も受け入れる「混合型」も存在します。月額費用の目安は15万〜35万円程度で、施設によって幅があります。入居一時金は0円から数千万円まで施設によって大きく異なります。入居一時金が高い施設は月額費用が低めに設定されていることも多く、長期入居を考えるなら総費用で比較することが大切です。
介護付き有料老人ホームのサービス内容
食事・入浴・排泄などの身体介護のほか、レクリエーション・機能訓練・医療連携など幅広いサービスを提供します。介護サービスは月額固定の「包括払い」が特徴で、どれだけ介護サービスを利用しても追加費用がかからないのが利点です。看取りに対応している施設も多く、「最後まで同じ環境で安心して過ごしたい」という方に向いています。
住宅型有料老人ホームの月額費用
住宅型有料老人ホームは、介護付き有料老人ホームとよく混同されますが、運営の仕組みが大きく異なります。施設内に介護スタッフが常駐して介護を提供するのではなく、入居者が外部の訪問介護・通所介護などを自由に組み合わせて利用する形態です。施設としての機能よりも「住まい」としての性格が強く、介護施設の種類のなかでは比較的入居しやすい選択肢といえます。
住宅型有料老人ホームの費用と特徴
月額費用の目安はおよそ15万〜30万円程度です。ただし、この金額に加えて外部の介護サービス費用が別途かかります。介護度が低い方であれば介護サービスの利用が少ない分、費用を抑えられるというメリットがあります。一方、要介護度が上がるにつれて外部サービスの費用も増えていくため、注意が必要です。
住宅型有料老人ホームの入居対象
自立〜要介護まで幅広い方が入居でき、施設によっては認知症の方も受け入れているところがあります。入居一時金は0円〜数百万円と施設によって異なります。介護付き有料老人ホームと比べて施設数が多く、エリアや価格帯の選択肢が豊富です。福岡市内でも多くの施設が稼働しており、立地の良さから選ばれるケースも少なくありません。
グループホームと認知症ケア
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症と診断された方を対象とした少人数の共同生活施設です。5〜9人の小規模なユニット(生活単位)で、家庭的な雰囲気の中でスタッフのサポートを受けながら生活します。大人数で管理されるような施設と違い、一人ひとりに寄り添ったケアが実践されやすい環境です。
グループホームの入居条件
グループホームに入居するためには、要支援2以上かつ認知症の診断があることが条件です。また、地域密着型サービスのため、施設が所在する市区町村に住民票があることも必要です。自治体をまたいでの入居はできない点を事前に確認しておきましょう。
グループホームの費用と生活環境
月額費用の目安は15万〜20万円程度で、入居一時金は0円〜数十万円と比較的低い傾向にあります。介護スタッフが少人数の利用者を丁寧にサポートするため、認知症の方の「できることを活かす」ケアが実践されやすい環境です。料理・洗濯など日常の家事に一緒に参加することで、生活リズムを保ち、認知症の進行を緩やかにする効果も期待されています。
グループホームの注意点
小規模で家庭的な雰囲気がグループホームの最大の強みですが、医療体制が手厚くない施設が多いため、医療依存度が高い方には不向きな場合があります。看護師が毎日いるとは限らず、医療ケアの範囲については施設ごとに確認が必要です。また、地域密着型サービスのため住民票のある市区町村内の施設しか利用できないという制約もあります。
サービス付き高齢者向け住宅の特徴
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、2011年の制度創設以来急速に普及している高齢者向けの賃貸住宅です。「安否確認」と「生活相談」が必須サービスとして提供され、バリアフリー構造で高齢者が安心して暮らせる住環境が整っています。介護施設の種類のなかでは、「住まい」に近い性格を持つ施設です。
サ高住の入居条件と費用
対象は60歳以上の方または要介護・要支援認定を受けた60歳未満の方です。自立〜軽度の要介護の方が多く利用しています。賃貸借契約であるため、「施設に入る」というよりも「高齢者向けの賃貸住宅に引越す」イメージに近く、心理的なハードルが低い点も選ばれる理由のひとつです。
月額費用の目安は施設によって幅があり、10万〜30万円程度です。介護サービスは外部の事業所を別途利用する形態が多く(一部は特定施設として介護サービスを提供するサ高住もあります)、介護度が上がると費用が増えていく点は住宅型有料老人ホームと共通しています。
サ高住を選ぶ際の注意点
サ高住は施設によってサービス内容が大きく異なります。「安否確認」と「生活相談」だけの施設もあれば、同一敷地内に訪問介護・デイサービス・訪問看護など複数の介護サービス事業所を併設した施設もあります。介護が必要になったとき、どこまで対応してもらえるかを契約前にしっかり確認することが重要です。
施設選びのポイントと要介護度の確認
介護施設の種類を一覧で見てきましたが、「では、どの施設が最適なのか?」という判断は一人ひとりの状況によって大きく変わります。ここでは、施設選びで必ず確認すべきポイントを整理します。施設を決める前に、この5つの軸を確認しておくことで、選択肢が大幅に絞り込めます。
①要介護度・身体状況を確認する
施設選びで最初に確認すべきなのが要介護度です。特養は要介護3以上が原則、グループホームは認知症が条件、老健は要介護1以上など、施設の種類ごとに入居できる要件が異なります。また、要介護度だけでなく医療依存度(吸引・経管栄養・インスリン投与など)も重要です。医療ケアが必要な方は、看護師が常駐する施設を選ぶ必要があります。
②費用の上限をあらかじめ決める
施設ごとの月額費用には大きな差があります。年金収入・預貯金・家族の援助能力を考慮して、無理なく払い続けられる月額の上限をあらかじめ決めておきましょう。「介護保険負担限度額認定証」などの制度を活用すれば費用を抑えられる場合もあります。担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると、活用できる制度を教えてもらえます。
③立地とアクセスを確認する
家族が面会に行きやすいかどうかは、入居者の生活の質にも深く関わります。定期的な面会は認知症の進行を緩やかにする効果も期待できます。公共交通機関でのアクセスや、車で行く場合の駐車場の有無も事前に確認しておきましょう。
④必ず見学してから決める
施設のパンフレットやウェブサイトだけで判断するのは危険です。実際に見学して、スタッフの言葉遣い・食堂や居室の清潔感・入居者の様子を直接確認しましょう。できれば食事の時間帯に訪問すると、日常の様子をより具体的に把握できます。複数施設を比較するためにも、候補は最低2〜3か所見学することをおすすめします。
施設選びの具体的な手順や見学のチェックポイントについては、老人ホームの探し方完全ガイドも合わせてご覧ください。
まとめ:介護施設の種類と一覧で見る選び方

介護施設の種類は多岐にわたりますが、大きく「公的施設(特養・老健・介護医療院・ケアハウスなど)」と「民間施設(有料老人ホーム・グループホーム・サ高住など)」に分けて考えると整理しやすくなります。費用を抑えたい場合は特養・ケアハウスなどの公的施設が候補になりますが、入居待ちが長い点を踏まえて早めに行動することが重要です。民間施設は費用は高めになりますが、入居のしやすさとサービスの充実度が魅力です。
まずは、ご本人の要介護度・医療依存度・認知症の有無・費用の上限を確認し、それに合う施設の種類を絞り込むところから始めてみてください。地域包括支援センターへの相談や複数施設の見学も合わせて行うと、より具体的な検討が進みます。焦らず、でもできるだけ早めに動き出すことが、よい施設に出会う近道です。
施設探しでお悩みの方へ
「何から始めればいいか分からない」「費用が心配」「急いで施設を探している」など、介護に関するお悩みは一人で抱え込まないでください。
福岡介護ナビでは、福岡県内の老人ホーム・介護施設に関する情報をまとめています。まずは情報収集から始めてみてください。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の施設・サービスを推薦するものではありません。掲載情報は執筆時点のものであり、制度改正等により変更となる場合があります。正確な情報は各施設の公式サイトや担当窓口にてご確認ください。最終的な施設選びの判断は、担当のケアマネジャーや専門家にご相談ください。