「介護施設でのボランティアに興味はあるけど、高校生でも参加できるの?」「どこに申し込めばいいか分からない」——そんな悩みを抱える高校生や、子どものボランティア活動を応援したい保護者の方から、最近こうしたご相談をよくいただきます。
結論からお伝えすると、介護施設でのボランティアは高校生でも十分に参加できます。ただし、施設によって受け入れ条件や活動内容が異なるため、事前にしっかりと確認することが大切です。
この記事では、高校生が介護施設でのボランティアに参加するための具体的な方法、活動内容、申し込み手順、そして現場で役立つ注意点について、福岡での実情を交えながらわかりやすく解説します。
老人ホームや特別養護老人ホーム(特養)、デイサービスといったさまざまな介護施設での高校生ボランティア体験は、将来の進路選択にも大きくつながる貴重な機会です。ぜひ最後まで読んで、一歩踏み出すヒントにしてください。
介護施設でのボランティアに高校生が参加する方法

介護施設への高校生ボランティアは、思っているよりもハードルは高くありません。ただし、事前の準備と正しい手順を踏むことが、スムーズな参加への近道です。ここでは活動内容から申し込み方法まで、順を追って説明します。
活動内容はレクリエーション補助から会話まで多様
介護施設での高校生ボランティアといっても、その活動内容は施設の種類によって幅があります。私が確認してきた範囲では、以下のような活動が高校生ボランティアに任されることが多いです。
よくある活動内容
- レクリエーションの補助:体操・ゲーム・工作などのイベントサポート
- 会話・話し相手:高齢者の方と一緒に話す時間を作る
- 配膳・食事の補助:食事の準備やお茶出しのお手伝い
- 散歩の付き添い:施設内や近隣を一緒に歩くサポート
- 環境整備:共用スペースの清掃や植物の水やりなど
- 行事の手伝い:敬老会・クリスマス会・季節のイベントのサポート
大切なのは、介護の専門的なケア(入浴介助・排泄介助・医療行為)はボランティアの範囲外だということです。こうした身体介護は資格を持つ専門職員が担当します。高校生ボランティアは「人と人としての関わり」を通じて、入居者の方の生活を豊かにすることが主な役割です。
特に夏休みや冬休みの期間中は、学生ボランティアを受け入れる施設が増える傾向にあります。「社会体験をしてみたい」「介護の現場を見てみたい」という動機で参加する高校生が多く、施設側も若い世代との交流を積極的に求めています。
福岡市では、老人ホームやデイサービスをはじめとする介護施設が市内各所に数多くあり、施設によっては通年でボランティアを受け入れているところも少なくありません。まずは「どんな活動をしたいか」を自分の中でイメージしておくと、施設選びもスムーズになります。
また、特技を活かした活動ができる場合もあります。ピアノやギターが弾ける方なら演奏を披露したり、手品や切り絵などの趣味があれば、それを活動に取り入れることができる施設もあります。事前に「こういう活動がしたい」と担当者に伝えてみると、施設側もより受け入れやすくなることがあります。
受け入れ条件と年齢制限は施設によって異なる
高校生ボランティアの受け入れ条件については、「施設によって異なる」というのが正直なところです。一律に「高校生はNG」ということはありませんが、いくつか注意すべき点があります。
年齢・条件に関するポイント
まず年齢については、多くの施設が「中学生以上」または「高校生以上」を受け入れ対象としています。一部の施設では「18歳以上」を条件にしているところもありますが、高校生であれば基本的に参加可能なケースが大半です。
ただし、未成年の場合は保護者の同意が必要となる施設がほとんどです。これは施設側のリスク管理上の理由もあり、同意書の提出を求められることもあります。
受け入れ条件の主なチェックポイント
・年齢制限(中学生以上・高校生以上・18歳以上など)
・保護者同意の要否
・活動可能な曜日・時間帯
・感染症対策(ワクチン接種・健康チェックなど)
・服装・持ち物の規定
感染症対策については、近年特に厳しくなっています。発熱・風邪症状がある場合はもちろん、軽度の体調不良でも参加を控えるよう求める施設がほとんどです。高齢者の方は免疫力が低下していることが多く、若者にとっては軽い風邪でも、施設の入居者には重篤な影響を与えてしまう可能性があります。
また、施設によっては事前に「ボランティア説明会」や「オリエンテーション」への参加を求めるところもあります。これは施設のルールや高齢者との接し方を事前に学ぶ機会で、参加することで活動がよりスムーズになります。面倒に感じるかもしれませんが、こうした事前研修を大切にする施設ほど、丁寧な受け入れ体制が整っていることが多いです。
服装については、動きやすい清潔な服装が基本です。派手なアクセサリーや香水は避けるよう求める施設がほとんどです。長い爪は高齢者の方を傷つけるリスクがあるため、短く切っておくことも必要です。
社会福祉協議会を通じた申し込み手順
「どこに申し込めばいいか分からない」という方に、私がおすすめしている方法のひとつが地域の社会福祉協議会(社協)を通じた申し込みです。
社会福祉協議会は、地域のボランティア情報をまとめ、希望者と受け入れ施設をつなぐ役割を担っています。福岡市の場合は福岡市社会福祉協議会が窓口となっており、ボランティア登録をすることで、介護施設でのボランティア情報を紹介してもらうことができます。
窓口では、氏名・住所・連絡先・活動希望内容・活動可能な日時などを記入して登録します。登録後、条件に合う施設を紹介してもらえるほか、ボランティア保険(社会福祉協議会が提供するもの)への加入手続きも行えます。
福岡市でのボランティア申し込み窓口
福岡市社会福祉協議会のボランティアセンターでは、介護施設へのボランティア情報の紹介や相談を受け付けています。まずは電話またはウェブで問い合わせてみてください。詳細は福岡市社会福祉協議会のボランティア情報ページ(出典:福岡市社会福祉協議会)で確認できます。
社協以外のルートとしては、以下の方法も有効です。
- 施設への直接問い合わせ:希望する介護施設のホームページや電話でボランティア受け入れの有無を確認する
- ボランティア情報サイトの活用:「activo」などのウェブサービスで福岡の介護施設ボランティア情報を検索する
- 学校経由での紹介:学校の先生やキャリアセンターに相談すると、提携施設を紹介してもらえることがある
私の観察では、社協を通じて申し込む方法が最もスムーズです。施設側との調整や保険手続きなどを社協がサポートしてくれるため、初めてのボランティアでも安心して進めることができます。
親の同意書と事前準備の流れ
高校生がボランティアに参加する際に忘れてはならないのが、保護者への事前相談と同意取得です。多くの施設では未成年の場合に保護者の同意書を求めますが、そもそも「なぜボランティアをしたいのか」を保護者にきちんと説明し、理解してもらうことが大切です。
また、ボランティア活動は無償で行うものですが、万一のケガや事故に備えてボランティア保険に加入しておくことをおすすめします。社会福祉協議会を通じて申し込む場合は、年間100〜200円程度の保険料でボランティア保険に加入できます(保険料は年度によって異なります)。
初参加までの一般的な流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①情報収集 | 社協のウェブサイトや電話で施設情報を確認 |
| ②保護者に相談 | 活動内容・日程・場所を説明し同意を得る |
| ③申し込み | 社協窓口または施設へ直接連絡し申し込む |
| ④書類提出 | 同意書・登録書類を提出し、ボランティア保険に加入 |
| ⑤事前説明会 | 施設のルールや活動内容の説明を受ける |
| ⑥活動開始 | 実際の活動スタート |
事前説明会では、施設内の禁止事項(写真撮影・SNSへの投稿など)や、高齢者への接し方の基本についてレクチャーを受けます。入居者の方の個人情報には特に気を配る必要があり、知り合いに話すこともNGです。プライバシーへの配慮は、ボランティア活動の中でも特に重要なルールのひとつです。
また、活動日の体調管理も重要な準備のひとつです。少しでも体調が優れない日は無理せず欠席し、施設には早めに連絡することが鉄則です。高齢者の方の健康を守るという意識を、活動前から持っておいてほしいと思います。
高校生が介護施設ボランティアで得られるもの

介護施設でのボランティアは、単なる「社会体験」以上のものをもたらしてくれます。ここでは高校生がボランティアを通じて得られる具体的なメリットと、体験者の声、そして現場で大切にしてほしいことをお伝えします。
介護の現場で感じる高齢者との関わりの大切さ
介護施設でのボランティアを通じて、多くの高校生が最初に驚くことのひとつは「高齢者の方がこんなにも多彩な人生を歩んできたのか」という気づきです。
会話の中で、戦後の復興期を生きてきた方の話、職人として何十年も働いてきた方の話、子育てや孫への思いを語る方の話……。普段の生活ではなかなか触れることのできない「人生の深さ」を、ボランティアを通じて感じることができます。
一方で、施設での生活には孤独感を抱えている方も少なくありません。家族との面会が減り、話し相手が限られる中で、若いボランティアが来てくれることで、入居者の方が笑顔になる場面を私は何度も見てきました。「来てくれてありがとう」「また来てね」という言葉は、ボランティアをした高校生にとっても大きな励みになるはずです。
現代社会では、異なる世代との交流が少なくなっています。祖父母と同居している家庭も減り、高齢者との関わりを持つ機会が少ない高校生も多いでしょう。介護施設でのボランティアは、その壁を越える最初の一歩として非常に意義深い体験です。
また、こうした体験から「介護や福祉の仕事に就きたい」と進路を固める高校生も一定数います。実際に介護の現場を見て、聞いて、感じてから進路を考えることは、将来後悔しない選択をするうえで非常に重要です。福岡市内でも、介護福祉士や社会福祉士を目指す専門学校・大学への進学者が年々増えており、ボランティア体験がその動機になったケースは多くあります。
なお、親世代の介護について心配している方は、一人暮らしの親を施設に入れる時期と手順についても参考にしていただければ、介護施設の種類や選び方の基礎知識を得ることができます。
総合型選抜・推薦入試でのアピールポイント
高校生にとってボランティア活動は、大学入試においても重要なアピールポイントになってきています。特に総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)では、学力だけでなく「課外活動での経験」が評価される場面が増えています。
介護施設でのボランティアは、単に「ボランティアをした」という実績にとどまらず、面接や志望理由書の中で「何を感じ、何を学んだか」を具体的に語れる貴重な経験となります。
例えば、福祉系・医療系・教育系の学部を志望する場合はもちろん、心理学・社会学・人間学などの分野でも、高齢者との関わりの経験は説得力のあるエピソードになります。
入試でボランティア経験を活かすコツ
・活動記録を日記やノートに残しておく
・「何を感じたか」「どう行動を変えたか」を言語化する
・施設からボランティア証明書を発行してもらう
・活動時間の合計を記録しておく
特に重要なのは活動記録を残すことです。ボランティアをした日付・時間・活動内容・感じたことを記録しておくと、後で志望理由書を書く際に非常に役立ちます。活動後すぐにメモを取る習慣をつけておくことをおすすめします。
また、施設によってはボランティア活動証明書を発行してもらえます。入試や就職活動での提出書類として使える場合もあるため、活動終了時に担当者に相談してみてください。
私がご相談を受けた事例では、介護施設でのボランティア経験をきっかけに「社会福祉学部」を志望し、見事合格した高校生もいました。「なぜその学部を選んだのか」という質問に対し、具体的なエピソードで答えられることが、審査官に与える印象を大きく変えます。
コミュニケーション力と社会性の向上
介護施設でのボランティア活動は、コミュニケーション力を実践的に鍛える場としても非常に優れています。高齢者の方との会話は、同世代との会話とは大きく異なります。
まず、相手の話をじっくり聞く姿勢が求められます。高齢者の方はゆっくり話される方も多く、また聴力が低下している方も少なくありません。大きくてはっきりした声で話す、相手の目を見て話す、うなずきながら聴くといった基本的なコミュニケーションスキルが自然と身につきます。
次に、相手に合わせた話題の選び方も学べます。高齢者の方の興味・関心・経験に合わせた話題を探し、相手が話しやすい雰囲気を作ることは、高度なコミュニケーション技術です。これは将来の仕事や人間関係においても大いに役立つスキルです。
さらに、施設スタッフや他のボランティアとの協力も重要です。「今日はこの方が体調が優れないから声をかけるのを控えよう」といった情報共有や、チームとして動く経験は、組織の中での立ち回り方を学ぶ機会にもなります。
高齢者との会話で避けるべきこと
・死・病気・家族の不仲などデリケートな話題
・「老い」を強調するような言葉(「お年寄りだから仕方ない」など)
・タメ口や子ども扱いした話し方
・一方的に話し続ける、相手の話を遮る
こうした経験を積み重ねることで、社会人として必要な「相手の立場に立って考える力」が自然に養われていきます。学校の授業やアルバイトとは異なる形で社会と関わることで、視野が広がり、自分自身の価値観も豊かになっていきます。
私が感じているのは、介護施設でのボランティアを経験した高校生は「人の話を丁寧に聞ける」という強みを持つようになることが多いということです。これは学校生活でも、部活動でも、そして将来の社会生活でも確実に活きてくるスキルです。
体験者の声:実際に参加してみて感じたこと
高校生が実際に介護施設でのボランティアを体験してどう感じたか、私が把握している声をいくつかご紹介します。
「最初は緊張したけど、利用者の方が笑いかけてくれて、すぐに打ち解けることができました。自分の話を一生懸命に聞いてくれて、逆に元気をもらいました」(高校2年・女子)
「レクリエーションのサポートをしたとき、みなさんが楽しそうにしていてとても嬉しかったです。『また来てね』と言っていただいたときは本当に来てよかったと思いました」(高校3年・男子)
「正直、最初は介護の現場が怖いイメージがあったんですが、実際に行ってみると施設の雰囲気が温かくて、スタッフの方もとても丁寧に教えてくれました。福祉の仕事に就きたいと思うようになりました」(高校2年・女子)
一方で、こんな声もあります。
「会話が途切れてしまったときにどうすればいいか分からなくて焦りました。でも施設のスタッフさんがフォローしてくれたので助かりました」(高校1年・男子)
慣れない環境に戸惑うことは当然です。施設のスタッフは、ボランティアのサポートをする経験も豊富です。困ったときはすぐに相談できる環境が整っているため、「うまくやらなきゃ」と気負いすぎる必要はありません。
大切なのは「相手を思いやる気持ち」を持って臨むことです。技術よりも、その姿勢こそが高齢者の方に伝わります。私はボランティアの現場で、そのことを何度も実感してきました。
注意点とマナー:施設での基本的なルール
介護施設でのボランティア活動をより良いものにするために、事前に知っておいてほしい基本的な注意点とマナーをまとめます。
健康管理と感染予防
先にも触れましたが、健康管理は最重要事項です。少しでも体調が優れない場合は参加を見合わせてください。特に感染性のある症状(発熱・咳・下痢・嘔吐)がある場合は絶対に施設に行かないことです。施設には感染リスクの高い高齢者の方が多く、ご自身が感染源になる可能性を常に意識してください。
プライバシーの保護
施設内で知った入居者の方の個人情報(お名前・年齢・病歴・家族関係など)は、絶対に外部に漏らしてはいけません。SNSへの投稿はもちろん、友人や家族への話の中でも個人が特定できる情報を漏らすことはNGです。
また、施設内での写真・動画撮影は原則禁止です。スマートフォンの使用については施設のルールに従ってください。
時間・約束を守る
ボランティアは「無償で行う活動」ですが、だからといって時間にルーズであっていいわけではありません。施設側はボランティアの活動を前提にスケジュールを組んでいることが多く、無断欠席・遅刻は施設運営に大きな影響を与えます。欠席が必要な場合は、できるだけ早く連絡することを徹底してください。
私がこれまでの経験からお伝えしたいのは、「ボランティアは与えるだけでなく、受け取るものも多い」ということです。高齢者の方の人生経験から学ぶこと、感謝される喜び、チームで働く経験——これらはすべて、高校生としての今の時期にしか得られない財産です。ぜひ積極的に挑戦してみてください。
まとめ:高校生が介護施設でのボランティアを始めるために

この記事では、高校生が介護施設でのボランティアに参加するための方法と、体験から得られるものについてお伝えしました。
介護施設でのボランティアは、高校生でも十分に参加できる活動です。活動内容はレクリエーション補助・会話・配膳の手伝いなど多様で、介護の専門資格は必要ありません。申し込みは社会福祉協議会を通じる方法がもっとも安心です。
ボランティアを通じて得られるものは、単なる「体験」にとどまりません。高齢者との関わりを通じて視野が広がり、コミュニケーション力が向上し、将来の進路選択にもつながる貴重な機会となります。総合型選抜入試を考えている方にとっても、具体的なエピソードとして活用できます。
まずは地域の社会福祉協議会に問い合わせる、または気になる施設に直接連絡してみることから始めてみてください。福岡市内には介護施設でのボランティアを受け入れているところが数多くあります。あなたの一歩が、施設の高齢者の方の笑顔につながります。
施設探しでお悩みの方へ
「何から始めればいいか分からない」「費用が心配」「急いで施設を探している」など、介護に関するお悩みは一人で抱え込まないでください。
福岡介護ナビでは、福岡県内の老人ホーム・介護施設に関する情報をまとめています。まずは情報収集から始めてみてください。
※本記事の内容は、私自身の知見や一般的な情報提供を目的としており、特定の施設・サービスを推薦するものではありません。正確な情報は公式サイトや担当窓口にてご確認ください。最終的な判断は専門家や担当のケアマネジャーにご相談ください。